相続の話

長らく不動産業に携わっていると必ず相続という言葉にぶつかります。大体は相続した家を売ってほしいというご依頼ですが、中には相続前の節税や相続の途中で相談を受けることがあります。この話しは相続途中で揉めているというお話しです。(HP上に事例として載っていますが詳しく書かせて頂きました)

ある資産家が亡くなり、相続が始まりました。相続人が全員で4人ですが、長男が跡取りとして実家の家業を継いでおり、他の3人は家を出ていました。相続財産の多くは土地であり、その土地も一か所にまとまっているわけではなく、市内でバラバラに存在していました。価値の高い土地、価値の低い土地が混在しており土地を分けるという相続を一層難しくしていました。

家業を継いだ長男は依頼した顧問税理士と土地の分配を優位に進めており、私の相談者には決定事項として価値の低い土地が割り当てられる予定でした。納得できない相談者から私への最初の依頼は土地の査定をしてほしいでした。

土地の査定自体はすぐにできますが、果たして長男側の税理士が不動産業者の査定をどこまで考慮するのか疑問であったことと、進めている税理士は不動産や相続に詳しくなさそうだなという点から、不動産鑑定士に全ての土地を鑑定評価してもらいました。(鑑定料はかかっています)

その鑑定評価を依頼者経由で税理士に見せ、こう言ってもらいました。「私の相続する土地は遺留分にもなりませんよ」これを聞いて税理士もまずいと思ったのか依頼者にのみ価値の高い土地を相続させることで折れることになりました。(遺留分は相続時に法定相続人が最低限保障される相続財産です)他の相続人の方はあまり揉めることはなかったようです。

こうしてこの相続紛争は終わりを迎えました。ここから私の本業である不動産屋としての仕事を頂けるかなと思っていたら、介護施設を建てるということでハウスメーカーと契約も終わっていました。トンビに油揚げをさらわれるという状態です。最後は不動産業界ではよくある話しというオチとなりました。(非常に感謝されたことは確かだったようで、他のお客様をご紹介頂いております)

弊社では相続専門の税理士との関係性もあり、このようなご相談は得意としております。もしお困りの方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。