ある小説家のマンションを売った話
かれこれ10年以上前になりますが、ある小説家が別荘にしていた湘南地区のマンションを売ったお話しです。内々で売却をしたいとのことで、ネットやチラシなどの広告が一切打てず、売却に苦戦をしていました。他のマンションで検討をされているお客様に未公開物件としてご紹介をするぐらいしか、手が無く1年以上は売れなかったでしょうか。
あるご高齢のお客様が大手デベロッパーが分譲した駅前の築浅マンションを検討していたときです。そのマンションは贅を凝らした高級マンションで駅にも近く、かつ閑静な場所にあったので老後を送るには最高の場所ではないかと思っておりました。ただ、一応その小説家のマンションの存在を世間話程度にすると、こちらが驚くぐらい興味を持たれました。
小説家のマンションは駅まで距離があり、閑静ではあるものの築年数は20年程経ており、広さは100㎡を超えていましたが、価格もその駅前のマンションと変わらず、普通に考えれば駅前のマンションを購入するものと思います。しかしこのお客様はその小説家のマンションを契約されました。
なぜそのような判断をされたかというと、このお客様はその小説家の大ファンだったらしく、小説家の方が住んでいた物件を欲しいという気持ちが、駅前のマンションのことを忘れさせてしまったとのことでした。
こんなこともあるのだと、何がご縁につながるかわからないものだと思った不動産売却のお話でした。(ちなみにその小説家の方は非常に有名な方です)